19人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな真奈が、ある日、暗く沈んだ顔で、ブランコに座っているときがあった。
僕は真奈の様子がおかしいことにすぐに気づき、真奈に話しかけた。
｢真奈ちゃん、どうしたの？
今日は何か嫌なことでもあったの？｣
僕が真奈にそう話しかけると、真奈はさみしげな声でこう答えた。
｢昨日ね、お父さんとお母さんが、ケンカをしたの。
お父さんとお母さんは大声で、お互いを罵りあって、
お母さんがお父さんに投げつけた食器が、たくさん壊れて、床の上に散らばって、
それに怒ったお父さんが、お母さんを殴ったの。
お兄ちゃん、どうして大人って、ケンカばかりするの？
もっと笑いながら、楽しくできないの？｣
僕はそう言って下を向いた真奈を見て、胸が痛んで、苦しかった。
僕は弱い立場の真奈が、いとおしくて、今にも泣き出しそうな真奈をじっと見つめた。
最初のコメントを投稿しよう！