瀬川清人の過ち(2)

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僕は部屋のベッドの中で、目をつぶり、真奈が大人になったときのことを想像していた。 きっと天使のような笑顔をみせる真奈は、かわいらしい女性になるだろう。 あの優しい性格は、大人になっても変わらないだろう。 真奈はきっと、大人になっても、僕に偏見を持たないまま、僕のことを見てくれるだろう。 真奈の年齢は八歳。 そして僕が十六歳。 もしも十年後、二人が結ばれることがあったなら、僕はどんなに幸せだろう。 僕は、世界中の人たちに嫌われてもかまわない。 でも僕は、大好きな真奈だけには、嫌われたくない。 僕たちはいつの日か、結婚しなければならないから……。
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