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もしも、あのバケモノたちに出くわしたら……。
もしも、おかっぱ少女に見つかったならば……。
そんなことを考え始めたら、自分たちは足がすくんで歩けなくなってしまう。
美智子はそっと目を閉じ、マイナスな考えを振り払うと、となりに立つ清人の手をしっかりと握った。
「ここにとどまっていても、私たちが抱えている問題は、少しも解決しないわ。
清人くん、行きましょう。
おかっぱ少女の御守りを探しに……。
私たちの未来を変えるために……」
美智子はそう言って、清人と手をつなぎ、別校舎の暗闇の中を歩き始めた。
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