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「喉を切り裂き、殺してやるぞ。
腸をえぐって、殺してやるぞ。
恨みと憎しみ、消え去らない。
私の中から、消え去らない。
私の御守り、どこだろう?
大事な御守り、どこだろう?」
おかっぱ少女はつぶやきを続けながら、理科室のドアを音も立てずに、そっと開けた。
そしてそのとき、理科室にいた美智子たち四人は、一斉に机の影に隠れて、息を止めた。
美智子が身をひそめた机の影から、そっと顔を出し、ドアの方に目をやると、セーラー服を赤い血で染めたおかっぱ頭の少女が立っていた。
〈 あれがこの呪われた学園に居座る地縛霊、おかっぱ少女なのね。
私たちの目的は、あの少女の呪いを解くこと。
逃げまわるのが、精一杯の私たちに、そんなことができるのかしら?
私たちは、おかっぱ少女の憎しみから、逃れられるのかしら? 〉
美智子はそんなことを考えると、頭の中に、絶望の二文字が浮かんで離れなかった。
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