ライバル模様あれこれー1

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「危ないから、あの部屋には一人で戻らない方がいいね」 「やだ、泥棒かな……あの辺は平和な地域だったのに」 彼女は呆然とまた腰を下ろし、頭を抱えた。 昨日、彼女と桐谷がどう接触したのか僕は知らない。 あまり桐谷のことは思い出して欲しくないけど仕方ない。 ゆっくり話を誘導する。 「いや、荒らされた感じじゃなかったよ。合鍵持ってる人間もいないなら、うっかり戸締まりを忘れたのかもしれないよね」 「でも、今まで戸締まり忘れたことなんかなかっ……」 反論し始めてから少し遅れて“合鍵”が脳に届いたらしく、言葉が途中で途切れ、みるみるうちに彼女の顔がひきつった。 顔にははっきりと「しまった」の文字が浮き出ている。
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