ライバル模様あれこれー1

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「あの日、鍵は捨てた。もう誰も住んでないだろうけど」 その言葉を聞いて、振り返る。 「会ってないよ。何のことか分からなかったら聞き流してくれていい」 視線を落としたまま、さっきの僕の台詞を引用して桐谷が笑った。 やはり桐谷は部屋に行ったのだ。 そしてもう帰る場所があそこではないことを悟ったのだろう。 施錠忘れを指摘するのはやめた。 桐谷は友人に囲まれた新婦をチラリと見てから低い声で続けた。 「円香がしたことはすべて聞いた。悪かった。俺が中途半端だったせいだ。目が覚めたよ」 「……」 「式は二週間後だよな?」 「ああ」

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