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翌朝
再び一人での登校となった。
『てな訳で、放課後は先に帰っていてくれ』
そう言われたので、昨日は放課後一人で帰宅。
そして今朝も自宅正面で待っていたのだが、出て来なかった。
教室にて、クラスのほとんどが登校している中で寂しく自席に座っていると、朝のHRの5分前を告げる予鈴と共に幼馴染は教室にやってきた。
昨日の告白の件を聞きたいが、HRが始まるので、次の休み時間にすることにした。
昼休み
休み時間に聞こうとしたが、『長くなりそうだから』、と、お預けをくらい結局昼休み。
「んで、昨日はどうだった?」
昼休み、僕の机で共に昼食をとろうと、幼馴染は前の席のクラスメイトから椅子を借る。
椅子に座った事を確認すると、躊躇いなく本題について聞いてみた。
「いやはぁ、断られちゃってい」
「流石のお前でも、出会って2日じゃ駄目だわな。今後はよくある『お友達から』パターンか?」
「何が流石なのかわからんが、んー、まあ、友達にはなるけども……」
「なんだ、歯切れが悪いな」
僕の弁当の豚肉も?み切りにくいな。
「あの子好きな子がいるって言ってたからさ」
「なんだ、思い人がいたのか」
中々の驚愕事実である。
「先ずはその恋を全力で手伝ってから、アピールするわ」
「……ここ数日でまだ新しいお前が発見され、僕は開いた口が塞がらないのだが」
恐らく幼馴染から見た僕の顔は、呆れ顔と驚愕の顔が混ざって大変な事になってるだろう。
「なんだよ、好きな子の恋を応援したいじゃないか、男としては」
「まあ、わからなくもないが」
即告白した後は諦めずグイグイいくかと思いきや、潔いものだな。
そこからはいつもの下らない会話に戻るとHRが始まる前まで喋っていた。
そして先生が教室に来ると、幼馴染は自席に戻ろうと立ち上がり、こちらに顔を向けて、一言。
「あ、今日ゲームの発売日だから、一緒に買い物行こ」
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