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拳を握り、歯を食いしばり、瞳を閉じて深呼吸をして、
「そうだね.....。あのさぁ.....」
「うん.....。なに?」
落としていた視線を上げて俺の方に向く。
「.....もうやめないか?」
「.....えっ?何を?」
彼女の顔からは悲しみも切なさも微塵もなく飛び去り、今ある彼女の顔はまた別の感情に移されていった。
「.....もう、俺を殺すのをやめてくれないかな」
「えっ.....? しってたんだ」
「.....うん。」
「.....」
「.....君はどうしていつもこの場所でこの時間に」
彼女の視線はまた下を向き、もう彼女の顔は見えない。
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