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制服の上に着ていた服を脱ぎ、傷口にその服を押し付けた。
「っ!ヴゥ……」
その時の痛みで 狼が起きた。
「動くな。傷を治そうとしているだけだ。」
「ヴゥ゙……ガゥ!」
吠えて腕に噛みついた。
「っ」
多少は痛いが、それほどではない。弱っていなければ、
腕は無くなっていただろうが、かなり弱っているせいか
ほとんど力が入っていない。
「動くな。危害を加えるつもりは無い。イタイ…」
「ヴゥ゙…………」
少しすると、ゆっくりと離してくれた。
離してくれて良かった……
………………よし。大体終わった。止血した後に糸で
縫わしてもらいました。鞄の中にあった。
縫わないと傷が塞がらず出血死しそうだったから……
痛そうに泣いてたけど俺も少し痛かったよ。
軽くだけどまた噛まれた。
右手は凍っていてどうも出来そうもない。火を付けたりすると
危ないかもしれないし、早くここから移動しないと。
それにしても服ギリギリたりてよかった。俺今日に限って
いっぱい着てたからマジ助かった。
それと狼の後ろの方にチラッとだけど洞窟が見えた。
夜は危険だからそこに行くしかないよね……洞窟も危険だと思うけど
「お前も来るか?動くのキツイだろうけど移動しないと
血の匂いで獣が来るかもしれないから」
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