0人が本棚に入れています
本棚に追加
25階。
ノジの額に汗。
「あー、惜しかったな。ははは」カンタは指を鳴らした。
下向きのボタンを押したが、エレベータはまたしばらく来なかった。
「あ」ノジはなんとなく声を出す。
「全部一階で停まりましたね」
「よし! 行くぞノジ!」カンタは非常階段へ走り出した。
「カンタ先輩?」
「今度は迷わなくていいな!」
「カンタ先輩?」ノジは動かない。
「一階まで走るぞ!」非常階段ホールから声が聞こえる。
「先に行っててください。僕は会議室で待ってます」
ノジの目の前でエレベータのドアが開く。
――
おわり
最初のコメントを投稿しよう!