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※人物紹介
ノジ:社会人2年生。したっぱ。
カンタ先輩:慕われていないけど親しまれている先輩。下の名前で呼ばれる。
――
エレベータホールに二人のサラリーマンがいた。
ノジは大きな段ボールを抱えている。
隣でカンタがエレベータの下りボタンを押した。
その上のパネルには27階と書かれている。
「カンタ先輩、次の会議って何階でしたっけ?」
「14階だ」
エレベータは待っても待っても来ない。
「なかなか来ませんね」
「なかなか来ねえな」
エレベータは4機ある。
14階で停止しているものが一つ、
30階からさらに上に登っているものが一つ。
1階から動かないものが一つ。
そして今、1階下の26階に停まったものが一つ。矢印は下向きだ。
カンタはこれを見逃さない。
「おいノジ、見ろ。今走れば間に合うかもしれない」
そう言うと、エレベータホールの隣にある階段へ走った。
「マジっすか」ノジはしぶしぶついて行く。
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