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「子供だ。怪我をしてる。救出するぞ」
その言葉に全員安心とともに、すぐその場へ駆け寄った。そこには銀髪の少女が兵器から上半身だけはみ出した状態で横たわっていた。
その病室には黒城少尉とこわもての刑事、そしてハクトを含む五人の若い隊員が少女が横になっているベッドを取り囲むように立っていた。全員、その少女の顔を見つめ、静まり返っている。
ガサッ。
静かな部屋に布と布が擦れあう音が聞こえた。そして、少女は目を擦りながらムクリと起き上がった。
「おはよう。驚いたかもしれないが、ここは病室だ。安心したまえ」
刑事が笑いながら言った。こわもてな顔に似合わず、柔らかい笑顔だ。
一方少女は突然のことに驚いているのか、無関心なんだか知らないが、刑事の方を無表情で見つめている。
「俺はこう見えても国際認定の刑事だ。君には少し訊きたいことがあってね」
刑事はもっとも刑事らしく、警察手帳を少女の前に示した。少女は無表情のま
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