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彼ははさみを少女に渡すとすごすごと元いた場所へ戻ってきた。
少女は腰にかかっているポシェットのようなものからはんだごてのような銀色の機械を取り出し、その場にいる者たちに見せた。
「これは簡易核融合器と言って、私たちの星ではポピュラーな実験用具だ」
少尉は目を細めて熱心に見ているが、なんら地球のものと変わらないようにしか見えない。
「これは地球にはない物質を組み合わせたもので、金属に放射能を放出させること無く核融合させることで別の物質に変えることが出来る装置だ」
そこにいる全ての者がじっとその機械を見つめる。
少女はその機械の横のスイッチのようなものを押すと鉄で出来たはさみに当てる。すると、なんと鉄はどろどろになって溶け出し、テーブルの上に落ちて固まってしまった。
「な、なんだこれは。鉄が溶けてるぞ」
多くのものがざわざわとするなか、少尉はずっとその溶け出した物体を睨んでいる。
「次に、誰か火種を持っている者はいるか?」
またしても少尉が目配せをし、さっきとは別の隊員がライターを渡す。
ライターを受け取った少女はライターの火を溶け出した物体へ近づけた。
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