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キイイイイイイイーンッ。
耳鳴りの目茶苦茶酷い時の数十倍のような音が鼓膜を叩く。鼓膜が破れそうになり、皆耳を押さえる。キーンという音は次第に小さくなり、最終的に無くなった。
「何なんだ今のは」
刑事がまだ痛みの残る耳を押さえながら言った。ハクト達若い隊員も耳を押さえて悶絶する。
一方の少女の方は勝ち誇ったように澄ましている。
「さっきは鉄に核融合して、液体状のノームロノテンという物質に変えたのだ。ノームロノテンは熱を加えると音を伴って酸素と化合する。この反応は発音反応という。そして、このできた茶色い物質は三酸化ノームロノテンだ」
少女は反応が終わった茶色い塊を手に取るとポシェットのようなものに突っ込んだ。
驚きによる静寂を壊したのは少尉が少女に銃を向ける音だった。全員が少尉の顔を恐る恐る見る。
「これで貴様が東京を襲った殺人鬼だということが分かったわけだ。ここで処刑したって誰も文句言うまい」
少尉は不気味なにやけ顔を浮かべながら銃に弾を充填する。その場にいる誰もが目
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