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を瞑った。しかし、ハクトは銃口と少女の間に立ち、腕を広げた。
「何だ貴様」
少尉は不快感を顔いっぱいに出す。ハクトは広げた腕に力を入れる。
「僕は国軍臨時軍隊員、臼田ハクトです。こんな小さな、か弱い女の子を殺すなんて間違っています」
少尉はハクトの話を聞いて、鋭い目線をハクトに浴びせていた。下手をすれば今にもハクトの胸板に銃弾を打ち込むのではないかというくらい、少尉はハクトを睨んでいた。
「そこの若いの」
ハクトは後ろからの声にビクッと肩を震わせて振り返る。
「別に助けなど要らない。下がれ」
少女は最初から変わらず無表情で落ち着いている。今などおどけて手を横に振ってどけと合図をしている。
本人に断られて、ハクトは肩を落として元の場所へ戻る。
殺されるのが怖くないのか?本当にこどもなのか?
少女の冷涼な態度にハクトの頭にも少しずつ疑問が渦巻いてきた。
「自分から殺されることを選ぶとは子供の癖して度胸があるじゃないか」
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