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「先ほど上野に例の兵器が降りてきて建物を破壊してるとの情報。至急現地へ向かいます。二百人体制、大型輸送ヘリ七機で向かう。銃を持ったものから順にヘリポートへ向かえ」
大尉の秘書の女性がマイクで淡々と話す。しかし意識して淡々と話そうとしているのは丸分かりだ。
話が終わるとともに、集まった隊員や幹部が一斉に敬礼して、魚の大群のように一気に狭い出口からたくさんの人が走って出て行く。保管員に預けてあった武器が正面玄関に並べてあった。次々と隊員が武器を持ち、ヘリポートへ飛ぶように走っていく。
ハクトも武器を受け取り、大きく搬入口を開けた輸送ヘリに乗り込む。あちらこちらで嘆きの声や争いの声が聞こえてくる。定員になったところで搬入口は閉ざされ、ヘリは離陸した。しかし、コックピット以外は窓が一つもないから今、どこにいるかすら隊員たちにはわからない。
まったく大変なことになっちゃったなあ。
ハクトはヘリは嫌いだ。この尋常じゃない揺れ方。不規則な機体の動きで昨日の晩ご飯を戻してしまいそうだ。
時間も位置も分からない中、機内に衝撃が加わった。どこかに着陸したのだ。暫くして搬入口が開かれ、ぞろぞろと隊員が出て行く。搬入口の両端にはこわもての幹部ら四人が
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