第一章 科学者の少女

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厳しい顔をして出てくる隊員たちの顔を睨んでいる。  外に出るとすぐに少尉が手を挙げて大声を出した。 「整列、人数確認、始めっ」  すぐに隊員たちは隊列を整えていく。一日で万人が抜け、万人が入るものだから班などは作らず、その場その場で臨機応変に隊を成すことになっている。一機のヘリに三十人の隊員が乗ってきたため、今は十五人ずつ二組に分かれる必要がある。隣同士を見て人数を合わせる。  整ったところで再び少尉がハスキーな声を荒げる。 「敵はこの公園から南南西方向に360メートル、上野駅前広場付近を北の方角にビルを壊しながら移動中。すぐに現場に向かう。まずは人員救助にあたれ。任務開始っ」  少尉の声が裏返ったのを合図に、隊列を成して道を走る。緊張と極度な運動をしているせいで汗まみれになっている。心地よい秋風が吹いているはずだが全く感じられない。 少し走っただけで先ほどから聞こえていたコンクリートが破壊される音が耳が痛くなるくらい大きく聞こえるようになった。まだ姿は見えてないが、恐怖感を覚える。  すると、急に轟音をたてて右奥のビルが崩れたかと思うと、大きさが30メートルを越すのではないかという兵器が瓦礫を踏み潰しながら道へ現れる。真っ黒い機械は20メートル
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