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ほどの球体にロボットのような足が生え、横から太い腕が伸びていた。
「攻撃しようとするなっ、逃げ遅れた市民を逃がせっ」
再び少尉の大声が聞こえ、隊員たちはばらばらに散る。ハクトも必死になってビルの合間などを覗いて走る。その時、兵器の前に一人のお爺さんが飛び出してきた。
「わしの家を壊そうとするやつは何人たりとも許さん」
お爺さんは狂ったように叫んでいる。お爺さんの右側には昔ながらの木造の平屋がビルに押されるように立っていた。お爺さんの手には火炎放射器が握られている。
「おっ、お爺さん危ないですって。逃げましょうよ」
ハクトは兵器を前にして震えた声でお爺さんを止めようとする。
「うるせえ、てめえも焼き殺すぞおッ」
お爺さんは電動火炎放射器の電源を入れてぶんぶん振り回し始めた。ハクトはやむなく後ずさる。
すると、左から少尉が走ってきてお爺さんの懐に飛び込んだ。電動火炎放射器が火を吹きながら地に落ちる。
次の瞬間、火炎放射器は巨大兵器の下敷きになった。お爺さんは危機一髪で助かったものの、恥知らずだのなんだのと騒いでいる。少尉はお爺さんを兵器から引き離すため、
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