始まり

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俺の学校…いや、俺のいる1年1組は、男女混合の日直制だ。日直の仕事は、日誌の記入・宿題等の配布物の配布・授業後の黒板消しが当てはまる。 何故、こんな話をしているかって?今日、この俺黒澤鷹人が日直だからである。五十音順つまり男女の出席番号早い順で回ってくる。苗字が「く」なおかげで回ってくるのが早かった。入学早々にクラスから省かれたのであまり気にすることではないのだが、俺と当たるであろう今日の日直の女の子は、隣の席の…確か小早川さんだったかな?ちゃんと来てくれるだろうか。 よりによって週にあるか無いかの配布物があった。小早川さんは来ておらず、俺1人で行うことに。 数学の宿題のプリントだ。数学担当の先生に明らかに嫌な顔をされた。中学での悪いイメージは強く残る。その所為だろうな。 「はぁ、何故俺がこんな目に合わなきゃいけないのか。」 ため息をつきながら職員室から1年1組まで戻る間、駆け足で俺を追い越して行く生徒がいた。リボンの色が緑だった。女子生徒はリボンで学年がわかる仕様だ。緑は1年生の証。 顔ははっきりと分かるくらい見えていたが、顔と名前が一致してる人が少ないため誰かなんてわからなかった。でも、ピン留めを2本してるのが異様に気になった。 「髪の毛短いのにな」 風でプリントが何枚か空を舞った。
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