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これは神の悪戯
執事と令嬢の恋。
こっそり隠れて唇を重ねた。
後ろで手を握った。
大人のやることではないチープな愛情表現。
それでも幸せだった。
彼女はやはり御曹司のもとへ嫁ぐ。
前夜、彼女は泣いて私にすがった。
行きたくない、と。
彼女が秘密裏に手にいれた薬物を飲んで、
二人で死のう。と。
その結果がこれだという。
彼女が泣きながら謝る。
彼女は無事なようだ。
私は彼女に笑いかけて
「貴女が無事で良かった」
彼女はまた大きな瞳に涙を浮かべた。
「ありがとう。幸せに」
彼女は名残惜しそうだったが彼に連れられて病室を去った。
これで、よかった。
彼女をずっと幸せに出来るのはきっと彼だ。
彼女の事を忘れられてよかった。
幸せに、なって。
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