第1章

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これは神の悪戯 執事と令嬢の恋。 こっそり隠れて唇を重ねた。 後ろで手を握った。 大人のやることではないチープな愛情表現。 それでも幸せだった。 彼女はやはり御曹司のもとへ嫁ぐ。 前夜、彼女は泣いて私にすがった。 行きたくない、と。 彼女が秘密裏に手にいれた薬物を飲んで、 二人で死のう。と。 その結果がこれだという。 彼女が泣きながら謝る。 彼女は無事なようだ。 私は彼女に笑いかけて 「貴女が無事で良かった」 彼女はまた大きな瞳に涙を浮かべた。 「ありがとう。幸せに」 彼女は名残惜しそうだったが彼に連れられて病室を去った。 これで、よかった。 彼女をずっと幸せに出来るのはきっと彼だ。 彼女の事を忘れられてよかった。 幸せに、なって。
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