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こういう時に、離れたいのに離れられないのは地獄だ。
昨日は、逃げるようにユタの元を去った――実際、逃げていたのだけれども。
それでも学校には行かなきゃならなくて。
中1の時からずっと同じクラスだったユタとは、今も同じ教室にいて。
しかも、私の斜め前の席という、近距離。
距離は近くても、こころの距離は遠い。
今は古典の授業中で、彼は淡々とノートをとっている。
その、ユタの左腕に見える、メタルの重そうな時計。
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