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そして翌朝の教室。
やってきたガウスの後ろからフウハが教室に入ると、一瞬静かになった後に大歓声が上がる。
皆、嬉しそうだ。
「今日からフウハも復帰する。これでクラス全員が揃ったな」
満足そうなガウスは、それじゃあ授業をしっかり受けろよー、と教室を出ていこうとした。
あれ、他に連絡事項は無かったのか?
そう思った瞬間にフウハがガウスの服を掴んで引き止める。
「いや、ちゃんと連絡事項は伝えていけよ」
フウハの言葉に、ああ!と声を上げると、教卓に戻る。
それを見てフウハも席に戻った。
連絡事項は他クラスとの合同授業の事で、Sクラスの俺達はDクラスとだとか。
他のクラスだとDクラスを馬鹿にしてるからとの配慮らしい。
ついでに指導してみろ的な思惑を感じる。
普段ならそれはそれで皆の気分が上がる話ではあるのだが、今日はスルーだ。
皆がフウハと話したくてソワソワしている。
そんな俺達をクスリと笑って、今度こそガウスは教室を出ていった。
そして授業は淡々と進んでいく。
生憎、今日は座学のみで、戦闘訓練は無い。
なのでフウハを取り囲む事も出来ずに放課後を待っているのだった。
休み時間に取り囲む馬鹿はこのクラスには居ないからな。
班のメンバーで話すくらいだ。
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