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俺がアデリアに出会ったのは、まだまだ幼い頃だった。
確か、妹が生まれる前だった筈。
光の大貴族に男の子が生まれたからと、お祝いに行ったんだ。
そこに居た、凄く可愛い女の子がアデリアだった。
仲良くなりたい、と思ってたのは覚えている。
トコトコと、兄では無く自分の側に来て、ニッコリ笑ってくれて、嬉しくて堪らなかった。
母がよくやる、大好き、と伝えるおまじないをアデリアにすると、吃驚した顔をした後で、笑顔を向けてくれた。
今考えると、あの歳でほっぺにちゅーとか、ませてたよな、俺。
本当は兄と婚約をさせるつもりだったらしいけど、アデリアが兄には見向きもせずに俺と仲良く手を握って笑っていたから、俺と婚約をする事になった。
当時は何の事かよくはわかってなかったけれど、ずっとアデリアと一緒に居られる約束だと聞いて、凄く嬉しかった。
それから時々会って遊んだりして、益々彼女をを大好きになった。
彼女の両親が呼ぶ様に俺も彼女をアディと呼ぶようになり、幸せな日々が続いた。
もっとも、当時はそれが当たり前で、幸せだなんて思った事は無かったけど。
だけど、5歳の誕生日にその幸せは呆気なく壊れた。
パーティーでアディと踊ったり花火を見たり、プレゼントを貰って、とても楽しかったのに。
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