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一夜明けて、俺は学園に戻った。
フウハの居ない寮の部屋。
今日の朝食は、母さんと父さんと一緒に取ったけど、明日からは此処で1人だ。
母さんは沈んでいて、俺も会話をする気になれなくて。
それなのに父さんは何時も通りで。
それにちょっとイラついていたら。
「フウハはちゃんと帰ってくる。帰り難いとしても、そのまま消えてしまう事はしないだろう。消えるつもりなら、また死んだ事にしたんじゃないか?たとえトリックがバレていても」
微笑んで言い切った父さん。
「なんだかんだで父娘として過ごしてきたんだ。フウハの性格はわかってるつもりだ。ちゃんと説明しに帰る。それにこのままじゃルシファーがシュンの所に戻り難い。その状態のまま放置する筈が無い」
父さんの言葉に、母さんも、そうね、と頷く。
母さんは父さんの言葉に流され易いから、あまり気にせずにそんな気になっちゃったりする。
けど俺は不安で仕方無い。
あれから時間を置いて落ち着いて、色々と思い出すとアデリアとフウハが同一人物だった事がストンと納得出来た。
自分でも不思議だけど、何時も彼女に見守られていた事に気付いて、あんまりな嘘だったけど、彼女に対する愛しさは増した。
だからこそ思う。
逆に彼女は俺に愛想を尽かしたんじゃないか、と。
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