注がせてください、あふれるまで

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   今日は、社内でも比較的によく飲みに行くメンバーでの、飲みだった。 一番乗りだった俺は、他のメンバーが来るまで、酒も頼まず、携帯片手にじっと待っていた。 わりと、俺の周りには誰かしらいる事が多く、こうして一人で待つのが久々で、暫くどうしてたらいいか、困っていた。 けど、適当に携帯に転送されて送られてくる会社のメールを処理しながら、過ごす事にした。 すると、二番目に主任の井筒(いづつ)さんがやってきてくれた。 他の二人はまだ来る気配がなかった為、まずは二人で先に飲みますかーーと、いう流れになった。 最初は、たわいもない会話だった。 けれど、主任から突然、突飛も無い事を聞かれた。 「お前ってさー、遠距離恋愛とか、した事あるか?」 それを聞いた瞬間、驚いた。 そりゃー、もう! 思わず、手に持ってたジョッキを倒してしまいそうな位には。 けど、俺のその反応も仕方がないと思う。 主任とは、よく飲む事があるけれど、彼の口から恋愛のれの字ですら、今まで一切聞いたことがなかったからだ。 まぁ……同僚同士で集まったら、仕事や会社の話がメインになるから、主任が特別珍しいというわけでは無かったけれど。
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