第零章

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 塔が出現して数ヶ月後、実体のないモンスターに襲われた某国の一般人の少年が、実体のないモンスターを殴ることに成功。  これを期に合法、非合法関わらず研究が行われ、遂にモンスター対して有効な手段【魔法】とその力【魔力】が確立された。  魔法及び魔力とは一体なんなのか。  全て明らかになっていないが、今わかっていることは三つ。  ・修得、使用限界には個人差があること  ・直接手で触れれば魔力は武器にもこめられること(銃弾は手で触れないため魔力はこめられない)  ・モンスターの身体も魔力で包まれていて、魔力を持たない攻撃は効果が低いこと  人類は反撃を始めるが簡単なものではなかった。  銃器の効果が低いため飛び道具は弓や、チャージタイムやクールタイムの必要な魔法であるため、危険なモンスターとの戦闘は常に死と隣り合わせである。  魔法が確立されてすぐのことだが、ほとんどのモンスターは食用にできることがわかった。  哺乳類型も、爬虫類型も、ミミズ等環状生物も食べることができ、その上、強ければ強いほど美味になる特徴があったのだ。  これは食料危機に瀕していた人類にとって、ありふれた表現ではあるが、希望の光であり、また天から降りてきた蜘蛛の糸でもあった。
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