儚き想い

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黒板を背に振り向く。 「もう…卒業だね…」 「名残惜しいね」 「私は途中から引っ越してきたから、そこまで思い出はないけど…」 「けど?」 「ありがとう。あなたがいたから短い間でも楽しく過ごせた」 「それはよかった」 「私ね…君のこと……やっぱり何でもない…」 「?」 「次、会えたら言うから」 「わかった」 「(元気な姿で…会いたい…そしてこの想いを…)」 目頭が熱くなり涙が溢れる。 心地好い風が吹きカーテンがなびいて、桜の花びらが入ってきた。 「さぁ帰ろうか」 「…うん」 その日の夜、身体に無理をして卒業式に出席した彼女は……
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