―フィナーレ―

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◇◇◇ ぐしゃり、とその巨体は膝をつき体勢が崩れ落ちていく。 ぼろぼろと岩の様に頑丈だったその肉体は今や脆く剥がれ落ちていき、輪郭が薄れていく。 「やったか!?」 誰かが叫ぶ。 崩れ、もうその原型を留めないほどにまで崩れると、主に学園側の生徒達が歓声を上げた。 その歓声の傍らで先ほどまで巨大な流星の姿をしていた従者の近くに膝をつく王の姿があった。 「…、グレイグ……」 従者は、上半身こそ変身前の姿をしていたが、腕にひびが入り、下半身が原型を留めておらず、歩くことすら困難な状況だった。 「坊ちゃん…申し訳、ありませ……」 「いい。もう、いいんだ……」 力なく首を横に振る。こうなることは定めだったと言い聞かせるようにして、謝り続ける従者の傍にいた。 コツン、と二人の目の間に歩み寄る人物が一人。その影を視認すると、流星の王はその人物を見上げる。…初めて見る顔だった。 「…君は、誰だ?」 「ノエル・冬星・オックスフォード。…星座の能力者の代表さ。流星の王様」 軽く笑いながら名前を告げたノエルに対して、「あぁ、」と声を漏らす。どこか安堵のニュアンスが含まれた声色だった。 「そうか、君が…はは、まだ若いじゃないか」 「去年度までは学生だったからね。…本当なら父がこの場に居るべきだったのだろうけど」 「戦争なんてそんなものさ。いつ、何が起きるか、誰が死ぬかなんて分からん。…そしてどちらが勝つかすらもな」 小さい王は笑いながらそう言うが、どこか、自分自身を嘲笑う様にも見えた。
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