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「健太くん、章くんたちはこの広い本校舎のどこにいるのかしら?」
美智子は、となりに立っている健太に小声で話しかけた。
「そんなことはわからねぇけど、しらみつぶしに本校舎のすべてを探すしかないだろうな」
「ここにもやっぱり、高校生のバケモノはいるのかしら?」
「いるんじゃねぇか?
この呪われた学園で、百人以上の高校生が死んでいるんだから……」
美智子は健太のその話を聞いたあとに、不気味に広がる長い廊下を見つめた。
暗くて見通すことができないこの廊下の闇の向こう側に、章たちはいるのだろうか?
美智子は大きな不安を抱えながら、健太に言った。
「健太くん、それじゃあ行きましょう。
章くんたちを探しに……」
美智子はそう言って、長い廊下に足を踏み入れた。
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