15人が本棚に入れています
本棚に追加
「この教室に章くんたちはいないみたいね」
健太の後ろから、美智子が小声で言った。
「ああ、いないみたいだな。
それじゃ、次の教室に行こうぜ」
健太はそう言って、教室のドアをそっと閉めた。
美智子が、次の教室がある方に目を向けると、
闇に包まれた長い廊下が続いており、
美智子はまるでその闇に吸い込まれるような錯覚を覚え、足がすくんだ。
〈 私たちが、この暗闇の中に足を踏み入れたら、
二度と戻ってこれなくなるんじゃないかしら?
私の直感が、この長い廊下を進んでいくなと、私に警告している……。
でも、私たちは行かなくちゃ。
章くんたちを探すために。
みんなが無事で、この学園を出られるために 〉
最初のコメントを投稿しよう!