加藤久美子の過ち(2)

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「本当に立派よね。 学生の鑑よね。 それであなた、そんなに勉強してどうするつもり? あなたの家は、貧乏なんでしょ? いくら勉強しても、進学なんてできないんでしょ?」 「あなた、絶対に私たちのことをバカにしてるわよね。 あなたは私たちが塾に行ってる間、コンビニでアルバイトですものね。 それなのに、あなたの成績はいつも一番。 あなたは私たちをバカだと思っているのよね」 「あなた、目障りなのよ。 貧乏なくせに、優等生ぶって。 あなたは貧乏なんだから、勉強なんてしてないで、働きなさい」 私はその言葉のすべてを無視して、床に落ちた教科書を拾い、さっきの続きを読み始めた。
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