Lady メリー登場

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ありえない・・・、 携帯ならともかく、この自宅の電話は身内しか知らない筈だ。  「・・・ふざけおって!」 そこへ不意に携帯が鳴った。  何処の誰じゃあ、クソッタラァ! 喉まで用意した言葉だったが、今度は発信者が表示されている。 ・・・真二だ。  「おぅ! 真二ぃ! ええとこにかけてきた、  わしにつまらんマネしよるアホがおってな・・・」 男の言葉が終わらないうちに、真二は怯えた様子で訴え始めた。  『せ、先輩! 事務所に誰かいるんです!  で・・・電気も切られて、上の部屋の窓が割られました!』 彼らの事務所は三階建てで、一階はガレージ兼物置だ。 普段は二階をメインに使い、部屋は上の階を含めて六つある。 今夜は真二が夜の番というわけだ。  「・・・真二! 落ち着かんかい!  鍵はかけとろう? 上から入られたんか?  そいつは一人なんか?」 ・・・自分達の事務所に侵入する・・・ それが何を意味するか、彼らにはもちろん、わかっている。 死人が出ることも覚悟せねばならない。  『あ、ハイ、ひ・・・一人やと思います、  それに、もしかすると女かもしれ・・・ません。』 それは意外な返答だった。  「 あぁ? そんなモンにびくついとるんかぁ!?  ・・・待たれ、何で女や思うんじゃ?」 そう聞きながらも、男には予感めいたものがあった。  『す・・・すいません、先輩が事務所を出てから、電話が何度もあったんです・・・  女の声で・・・「わたし メリー」・・・って (遠くのほうで大きな音) !!』  image=498693720.jpg
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