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「口ではさ、僕だって、いくらでもきれい事が言えるよ。
でも、やっぱり大切なのは自分なんだよ。
みんなは怖くないのかい?
あのバケモノたちに襲われて死ぬことが……。
死ぬっていうことが、夢じゃなくて、現実として存在しているんだよ、あの学園には……。
だから……」
「清人、オレたちがそんなに簡単にこの町から逃げられると思うか?」
章がそう言って、清人をにらんだ。
「オレたちは、生け贄としてこの町に呼ばれたんだ。
この町の人間は、オレたちがあの呪われた学園で、ちゃんと死んでくれることを望んでいる。
清人、窓から外を見てみな」
章がそう言って、清人は窓の外を見つめた。
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