敗北の夜 (小嶋美智子)

2/18
前へ
/36ページ
次へ
呪われた学園から逃れてきた私たち五人が、正門の前でうちひしがれていると、 ワゴン車を運転してきた警察官が、私たちの前に現れた。 「みんなお揃いのようだね。 いや、違うなぁ。 一人足りない……」 ワゴン車を運転してきた警察官のその一言に、 章が怒って、怒鳴り散らした。 「テメェ、何、のんきな顔して、一人足りないとか言ってやがるんだよ! オレたちは聞いてねぇぞ! この学園が、こんなバケモノの溜まり場だなんて!」 「それはどういうことかな?」 「この学園にいるバケモノは、おかっぱ少女だけじゃないってことだよ! ここで死んだ高校生のバケモノまでもが、あちらこちらで、ウヨウヨしてやがる」 章がそう言うと、次は健太が警察官に怒鳴り散らした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加