敗北の夜 (小嶋美智子)

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「私たちを一度、帰らせて下さい」 私はみんなの後ろから、警察官に言った。 「今日はもう、御守りを探す気持ちにはなれないわ。 私たちの大切な仲間が死んだから……。 私たちも、何度も殺されそうになったから……」 私はそう言うと、こらえていた涙が溢れ出してきて、止まらなかった。 もしも時間を巻き戻せるなら、私たちは呪われた学園に来ること以外の選択肢を選んで、 死の危険に怯えずにいただろうか? どこで私たちの人生の歯車は、狂い出してしまったのだろう? 私たちはもう、引き返すことはできないのだろうか?
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