2/3
前へ
/5ページ
次へ
気がつくと、道端に倒れていた。 起き上がって周りを見渡しても知っている風景ではなかった。それどころか 僕は誰だ これが俗に言う記憶喪失ってやつなのか? ふと視線を上に向けると、こちらに向かって駆けてくる人がいる。 その娘は僕の前で止まってハァハァと息を切らしながら 「蓮くん大丈夫なの?!怪我は?!どこか痛いところは!?」 僕はその問いに、 「君は誰だい?」 と答えた。もっと他にあったと思うけど、先にこの言葉が出た。彼女は、この問いに驚きを隠せないようだ。 ペチンッ 頬が痛い。何故だ?考えるよりも先に 「さよならだね」 涙を浮かべながら走り去っていった。 僕は何が何だかわからなかった。 でも一つだけ 僕はすべてを失ったようだ。 頬には涙が伝っていた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加