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気がつくと、道端に倒れていた。
起き上がって周りを見渡しても知っている風景ではなかった。それどころか
僕は誰だ
これが俗に言う記憶喪失ってやつなのか?
ふと視線を上に向けると、こちらに向かって駆けてくる人がいる。
その娘は僕の前で止まってハァハァと息を切らしながら
「蓮くん大丈夫なの?!怪我は?!どこか痛いところは!?」
僕はその問いに、
「君は誰だい?」
と答えた。もっと他にあったと思うけど、先にこの言葉が出た。彼女は、この問いに驚きを隠せないようだ。
ペチンッ
頬が痛い。何故だ?考えるよりも先に
「さよならだね」
涙を浮かべながら走り去っていった。
僕は何が何だかわからなかった。
でも一つだけ
僕はすべてを失ったようだ。
頬には涙が伝っていた。
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