Trust~ツバサとセイヤ~

13/48
前へ
/48ページ
次へ
面会を終えた菜乃の父親と母親は、病院の玄関を出ながら、こんな会話をしていた。 「あなた、せっかくあの子が意識を取り戻したのよ。記憶を失っているのは、今はどうにもならないけど…とりあえずは元気出しましょ?  それに、例えば、お箸の使い方がわからないとかいうのではないし、日常生活を送るには差し支えないって先生も言ってたでしょう?事実、ボールペンを使えていたわ」 「ツバサの奴だが、俺はどうも受け入れられん」 「父親は皆そうよ」 「そういう意味じゃない」 「? どういう意味なのよ」 「ただのカンだ」 「警察も言っていたでしょう。犯人はセイヤくんだという可能性が高いって。私もショックだけど、警察が言うのだから、間違いないわよ」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加