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「菜乃ちゃん!大丈夫?!」
ツバサくんは椅子から立ち上がり、私の頭を撫でる。そして優しく言った。
「菜乃ちゃん。良いかい?
無理に思い出そうとしなくて良いんだよ。
日常生活を送るには、差し支えのないレベルだって、先生がおっしゃっていたし。
僕たちのこれまでの思い出も失ってしまったのは悲しいけど、僕は記憶を失った君も愛しているからね。
退院したら、二人で手を合わせて暮らしていこう。君のご両親も、僕たちの結婚を承諾してくださっているから。僕が、ずっと君のことを守るから…」
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