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「……ん」
やわらかな日差しに、ゆっくりと目をしばたたかせる。
カーテンもない、殺風景な窓枠。
その向こうに抜けるような青空が広がっている。
ゴロリと寝返りを打つと、ガツンと肘がフローリングに当たってしまった。
しびれる肘に眉をしかめながら部屋の中を見回す。
窓枠と同じくらい、殺風景な部屋だった。
家具のひとつもない。
あるのは私の体の上にかぶせられた毛布だけだ。
家具もないが、見覚えもない。
「…あ………っ!!」
とたんに私は昨日のことを思い出して跳ね起きる。
低血圧が災いしてクラリと意識が揺れた。
だけどそんな事には構わずに足を踏ん張り、隣室へと続くドアを蹴破る勢いで開け放つ。
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