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「……」 シンプルな罫線の上に4行ずつ、2日分。さっき見たとおり、桐哉とのやりとりの日記があった。 しかも、今改めて見て思ったけれど、限りなく私の筆跡と似ている。 「……なにこれ」 そう呟いた口の中はカラカラだった。 だって、こんなの自分で書いた覚えがない。それに、夏休みに入ってから桐哉と会った事実もないし、アイスをかじるとか、手を引かれるなんて……そんなの、ありえない。 もしかして、夢遊病? 寝ぼけて夢の内容を日記に書いてるとか? もしくは二重人格で、無意識に二股? いやいやいや……。 いろいろ考えを巡らすけれど、どれも現実味がなくてピンとこない。 しばらく絶句して佇んでいた私は、なんとなくまた窓が気になって、今度は鍵まで閉めた。二階だからと網戸のままで寝ていたけれど、今日はやめておこう。 とりあえず、今日の日記をパパッと書き終えて、いつもの一番上の引き出しにしまいこんだ。         
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