第1章 1

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とりあえず、夏休み中は月水金の午後2時に河川敷で待ち合わせしようと約束した。雨だったら中止。 毎日は? という話も出たけれど、一応受験生だからということでそうなった。 スマホは、律紀は持っているけれど私は持っていない。高校に上がるまでは禁止だとお父さんに言われているからだ。 だから、電話をするのはどうしても話したいことがあるときの最終手段だということでまとまった。 多少の不服はある。 それでも、私はこの初めての恋人同士という響きに十分舞い上がっていた。 今までとは違う夏休みの入口に、その中の景色の鮮やかさを確信して、楽しみと嬉しさでいっぱいだった。 私はその夜、今のをまだ使い切っていないにもかかわらず、次使おうと思って用意していた新品の日記帳を袋から出した。    
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