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朝になりペレの死骸を見つけた子供たちは、誰もが悲しみにくれた。
大粒の涙を止めどなく流しながら、ペレの死を悼む友人達。
少年はその姿を見て、自分は何てことをしたのだろうと、自分の犯した罪の重さを知った。
ペレを、大好きだった者の命を奪った罪の重さを。
自責の念に駆られながら、少年は自分がペレを殺したのだと告白した。
そして、その日から誰も少年に関わらなくなった。
家族を除いては。
少年を叱りながらも、擁護してくれる父と母。
二人は決して少年を見放すことはなかった。
そして、唯一の妹も。
部屋に引きこもる様になった少年の傍で、『大丈夫だよ』『いつか、みんな解ってくれるから』
そう、手を握り微笑んでくれていた。
そんな優しさに包まれながら少年は考えた。
何故ペレを殺した?
あんなに可愛がっていたのに。
噛み付かれたから?
怖くなったから?
それだけで殺してしまったのか?
何故許すことが出来なかった?
ほんの些細な噛み傷だったのに。
自分の気持ちが分からない。
少年は答えを出すことが出来なかった。
出来なかったが、少年は心に誓った。
もう二度と、どんな理由であれ誰の命も奪ったりはしないと。
皆の悲しみを、孤独の寂しさを知ったから。
けれど再び少年は罪を犯してしまう。
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