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???「・・・きて・・・きてっ・・・やび」
誰かの声が聞こえる。
自分がまだ深い眠りの中にいるのがわかる。
???「むぅ・・・は・・く・きな・と・・・どう・っても・・・いよ・・・」
心地よい揺れに優しい声。
誰だろう?
ダメだ、頭がうまく回らない。
今はこの眠気に身を委ねたい。
???「仕方ない・・・10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・0」
ドスッ!!
雅「あいたっ!!!?」
何かが思いっきり頭の上に直撃し、眠気が一気に吹き飛ぶ。
この衝撃は一体・・・?
???「おはよ・・・雅・・・起きた?」
雅「危うく永遠の眠りにつくとこだったよ!!」
跳ね起きる僕の目の前で小首を傾げた少女、神無魔小が爽やかな笑みを浮かべていた。
それよりも今は僕の頭に落ちてきたと思われる魔小が持っている物体に目がいく。
雅「・・・魔小、それは何?」
魔小「何って・・・広辞苑・・・雅・・・知らない?」
魔小が見せつけた物体には確かに広辞苑と書かれている。
雅「違う。僕が聞きたいのは凶器がなんであるかではなく、それを使用した動機だよ」
魔小「ん・・・雅がなかなか起きないのが悪い・・・」
雅「うっ」
確かになかなか起きなかった僕にも非があるだろう。
だが、この起こし方はあんまりじゃないだろうか?
というより、今まで魔小はこんな起こし方はしたことがない。
魔小は普段大人しいし、酷くても僕の上に飛び乗ってきたぐらいだ。
ということは・・・
雅「・・・魔小、この起こし方は誰に教えてもらった?」
魔小「ん・・・春花にだよ?」
雅「は~る~か~!!」
僕は急いで自分の部屋を出てリビングに向かう。
春花「ん~?あ~雅君~おはよ~!!」
そこでは今回の元凶になった少女、雪風春花が笑顔で朝御飯を食べていた。
僕はそんな春花に近づき・・・
雅「おはよ~じゃな~い!!」
春花「うにゃ~!!?」
思いっきりヘッドロックを喰らわせた。
雅「お前はまた魔小に変なことを教えやがって~!!」
春花「うにゃ~!!ごめんごめん!!雅君が喜ぶかなと思って~!!」
雅「頭に広辞苑の直撃をくらって喜ぶ奴がいるか~!!」
春花「うにゃ~!!」
魔小「2人共元気だね・・・」
こうして、今日も騒がしい1日が始まった。
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