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百合「お兄ちゃん。百合達と遊びにきたの?」
雅「ごめんなー今日は魔小を送りに来ただけだ。暇が出来たらまた遊びにくるからさ」
百合「そっか・・・わかった。百合、我慢出来るよ」
雅「そっか。偉いな」
百合「えへへ」
頭を撫でてあげると百合が気持ちよさそうに目を細める。
この子は3人組の中で一番しっかりしてる。
菖蒲の暴走を止めようとしたり、引っ込み思案な蒲公英をリードしたり、将来苦労人になりそうだ。
あるきっかけから、かなりなつかれているので僕も少し気にかけているのだ。
魔小「とりあえず門の外は危ないから3人共中に入って・・・」
菖蒲「あ、よく見るとぺたんこ先生だ」
魔小「・・・どうやら空耳が聞こえたみたい・・・私みたいな立派な大人を捕まえてぺたんこなんて聞こえるわけない・・・」
いや、園児相手にその切り返しは十分子供だと思う。
菖蒲「大人って言うのは私みたいなレディーのことを言うのよ」
魔小「しなを作ってるところ悪いけど・・・私にはどんぐりにしか見えない・・・」
菖蒲「お子さまにはこの魅力がわからないようね」
魔小「・・・やはりこの子は私の敵として認識されたみたい」
魔小がかなり不機嫌そうな顔をしている。
本当に大丈夫なんだろうか?
蒲公英「魔小ちゃん~遊ぼ~」
魔小「園児扱いも止めて欲しいんだけど・・・」
工藤「ほら~魔小ちゃんも来たから皆で遊びましょうね~」
魔小「先生まで私を園児扱いしないでください・・・!!」
あ、魔小がちょっと涙目になってる。
工藤先生、世の中には言っちゃダメな冗談ってあると思います。
特に魔小に発育ネタは禁句です。
百合「魔小先生、お兄ちゃんにバイバイしなくていいの?」
魔小「百合・・・あなただけ・・・私を先生と呼んでくれるのは・・・」
百合「わわっ、苦しいよー」
魔小が百合を抱き締めながらしみじみと呟いている。
本当に百合は空気が読める良い子だと思う。
主に魔小のMP(メンタルポイント)回復的な意味で。
一頻り百合を抱き締めた後、魔小がこちらを向く。
魔小「それじゃあ・・・」
雅「ああ、今日も頑張れよ」
魔小「うん・・・」
百合「お兄ちゃん、バイバ~イ」
雅「おう、またな」
そういって園内に入っていく魔小と百合を見送りながら車を出した。
魔小、上手くやれるといいな。
―――――
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