俺と王様と歩み寄り

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元農民、現役生贄(兼下僕)の朝は早い。太陽が昇ると同時に起きてご飯の仕度、洗濯、掃除…そして、8時。 「起きてください。王様」 「嫌だ」 「起きろや」 「うるせぇんだよ、下僕」 「ぐふっ」 凝った家具が並ぶもシックな内装の部屋で眠る城の主を起こすのも仕事である。そこで尻尾を使い殴られるのも… その後は昼飯、夕飯を作って明日の準備である。 正直言おう 「暇だ」 森の中のではあるものの鬱蒼としてるわ、カラスが鳴いてるわ、人と会えないわ。王様とはコミュニケーションが全く出来ないわ…いや、待てよ? 俺、ちゃんとコミュニケーション取っていたか? 挨拶だけでなにもしていないと思う。一応、しっかりと衣食住は貰っている主だしな。先ずは、会話でもしてみるか…好きな食べ物とか? 「王様ー、夕飯なにか希望あるか?」 「女」 「は?」 「見繕ってこい」 「…」 家に住んでる父さん、母さん、家族よ… コイツと仲良くできる気がしません。
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