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しかし、人魚を助け続け、歌を歌いながら魔力を使い続けていた人魚姫は、本当に疲れ果てていました。
自分で泳ぐこともままならないほどに。
力を抜いてしまえば、流されてしまうことは分かっていたけれど、全ての人魚を助けた人魚姫は安堵と同時に、力を抜いてしまったのです。
わざとではなく、ごく自然に。
その瞬間、少し荒れていた海は、容赦なく人魚姫を攫って行ったのでした。
人魚姫は、そのまま、人間が暮らす街の近くの海岸に打ち上げられました。
美しい髪はボロボロに絡み、白く美しい肌は打ち付けた跡や多数の切り傷から血がにじんでいます。
下半身からは、うろこがたくさん剥がれ落ち、身の部分が露出している部分もあります。
人魚たちが人魚姫を捜していないわけではありませんが、人間の集落には近寄ることはありませんでした。
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