第19話 パステルカラー

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「紘斗、あきらめないでくれてありがとう」 血が繋がっていることは関係なくて、心配してくれる心が傍にあること。 それがどんなことより温かい。 「去年は駄々こねてたな」 「……わがまま云ってただけ!」 紘斗はかすかに首をひねりながら静かに笑った。 ちょっと癪に障って手に力を込めたけれど、痛みを与えるどころか逆に握りしめられる。 「痛い!」 「もう少し体力つけろよ」 「運動しろってこと? 面倒くさいし、きついからいい」 「やっぱ、お嬢さまだな」 姫良はおどけて首をすくめると紘斗の隣に座った。 「紘斗と一緒だと、家族じゃなくっても春みたいに温かい気分でいられる。パパたちとは木の葉散ってる秋って感じだけど」 「社長が泣くな」
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