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姫良は目を見開く。
「それって……プロポーズ……?」
「まずはおれの意思表示だ。延長上でそういうことになる」
果たして喜んでいいのかどうか、迷走しているような云い方だ。
ただ、姫良のなかにこそ素直に応えるには迷いがあって、紘斗はたぶんそれをわかっている。
こんなふうに一緒にいる時間があたりまえになっていくいまは、そのことのほうがうれしいかもしれない。
それに――。
「うん」
ここに来ると変わる紘斗の色。
いつもが黒と見紛うくらいの群青なら、いま笑った顔は春っぽいパステルカラー。
どこよりもこの場所だから。
大事にしたい――
そんな心が見えた気がした。
-The end.-
Will be continued in the last time.
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