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北海道は同じ国内だし、いつでも飛んでいけるのだが、何かあったときに、いままでのようにとても三十分後に会えるという距離ではない。
出発するまえに会えるか、と声をかけてくれたことが姫良にとってはせめてものなぐさめだ。
紘斗も呼べ、と強制的に云われ、姫良から呼びだされた紘斗は、仕事中にもかかわらず応じた。
ミザロヂーで合流したときも、食事を始めたいま、姫良の隣に座っている様子からも、紘斗は不機嫌そうには見えない。
仕事といっても、今日は土曜日で自主残業だからだろうか。
向かいに座った哲は、姫良の気分おかまいなしにおもしろがった表情を見せる。
「おれもいろいろ考えられるようになったってことだ」
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